アレルギー
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Recombinant IL-2によるActivated Killer Cellの誘導と検討
岩橋 司高尾 敏彦鷹野 ゆかり栗林 恒一斎藤 晃治
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1986 年 35 巻 10 号 p. 1047-1055

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抄録

<目的>interleukin-2(IL-2)はimmunomodulatorとして生体内外で免疫活性をもつといわれているが, 今回我々はrecombinant IL-2(rIL-2)を用い, Balb/cマウス脾細胞よりactivated killer cell(AK)を誘導し種々の腫瘍細胞に対するキラー活性, 発現時期, 表面マーカーなどについて検索した.<方法>1.AKの誘導:脾細胞を2.5×10^6/mlに調整し, 10%FCS加RPMI 1640培養液でrIL-2とともにCO_2インキュベーター内で培養した.一部ではrIFN-γを加えた.2.腫瘍細胞:P3, SP2, YAC1, BW5147, Meth A, RL♂1, C-26などを使用.3.AK活性:4hr^<51>Cr release assayで測定.4.表面マーカー:モノクロナール抗Thy1.2, Ia抗体, ウサギ抗asialo GM_1抗体と補体処理によるnegative selectionから検索した.<結果>1.IL-2により誘導されたAKはYAC1, SP2, P3, BW5147, C-26などに強い非特異的キラー活性を示し, Meth A, RL♂1にはほとんどキラー活性は示さなかった.2.培養2日目のAKはYAC1を標的とするThy1^-, asialo GM_1^+細胞と主にSP2を標的とするThy1^+, asialo GM_1^+細胞であったが, 4日目には主にP3を標的とするThy1^+, asialo GM_1^-も出現した.<まとめ>AKは少なくとも3種以上の不均一な細胞集団と思われる.

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© 1986 日本アレルギー学会
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