アレルギー
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喘息児家庭における室内浮遊塵の喘息発作に対する影響
小野 俊孝小幡 俊彦小田島 安平赤沢 晃近藤 知巳飯倉 洋治石原 融吉沢 晋菅原 文子
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1987 年 36 巻 11 号 p. 976-983

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抄録

最近, ポータブルの空気清浄器が普及しつつあるが一般家庭での浮遊塵除去能, 喘息児に対する臨床的効果についての検討は少ない.今回, 空気清浄器(EH351W松下電工(株))を用いて, 症状の持続する喘息児12例(中等症3例, 重症9例)を対象としてその効果を検討した.particle counter (KC-01 RION Co.Ltd)にて測定したふとん敷きによる浮遊粒子の変化では, 良好な集塵効果が認められ, 室内浮遊真菌についても明らかな低下がみられた.臨床的効果については, 喘鳴, 咳嗽, 日常生活障害及び睡眠障害の有意な(p<0.05-0.01)低下と, 発作の抑制が認められた.総合効果判定では, 有効以上6例(50%), やや有効以上9例(75%)で, 悪化例はなかった.以上より, 空気清浄器(EH351W)は, 室内浮遊塵, 浮遊真菌を除去する効果があり, 臨床的にも環境整備の有力な手段になると考えられた.

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© 1987 日本アレルギー学会
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