アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
エンドトキシン吸入後の気道過敏性と気道洗浄液中多核白血球数の経時的変化
武藤 敬小山 昌三斉藤 修金高 真人小山 信一郎大熊 昭晴堀江 孝至岡安 大仁
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 36 巻 2 号 p. 93-100

詳細
抄録

近年, 気道過敏性と気道炎症特に気道内多核白血球との関連が注目されている.我々はモルモットを用い, エンドトキシン(ET)吸入後に肺抵抗(R_L)・動肺コンプライアンス(C_<dyn>)を指標とし, メサコリン吸入に対する気道過敏性と気管支肺胞洗浄液(BALF)中総有核細胞数・多核白血球数・単核球数の経時的変化を観察し, 以下のような結果を得た.(1)対照とした生食水吸入群では全経過を通じて, BALF中総有核細胞数・多核白血球数・単核球数および気道過敏性は変化しなかった.(2)ET吸入後BALF中単核球数は変化せず, 総有核細胞数および多核白血球数は30分, 1時間では変化なく, 3時間, 6時間では著明は増加を認めた.(3)ET吸入後気道過敏性は30分ではやや亢進する傾向はあるものの有意ではないが, 1時間および3時間では有意の亢進を認めた.しかし6時間では亢進は認められず, base lineの状態に回復していた.以上よりET吸入後に気道過敏性亢進およびBALF中多核白血球数の増加が認められたが, 両者の間にには経時的な相違があり, 直接の相関は認められなかった.

著者関連情報
© 1987 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top