アレルギー
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小児気管支喘息における気道過敏性の評価 : 気道過敏性のパラメーターの意義
望月 博之重田 誠徳山 研一田島 公夫森川 昭広黒梅 恭芳
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1987 年 36 巻 5 号 p. 248-253

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抄録

アストグラフで得られる気道感受性(Dmin)と気道反応性(St)について, 重症度, CVR-Rとの関連, さらに小児気管支喘息におけるアトピー, 非アトピーの相違につき検討した.(1)Dminは気管支喘息群はコントロール群に比べて低値をとり, 気管支喘息群の各群における平均値は軽症では最も高く, 重症になるに従い順次値が低くなった.Dminは小児の気管支喘息の重症度を反映するものと思われた.(2)Stでは, コントロール群と比較して気管支喘息群は軽症, 中等症, 重症の3群とも有意に高度をとるものの, 3群間に有意な差は認められなかった.(3)CVR-Rとの関連について, Dminでは相関がみられなかったが, Stでは正の相関がみられ, 気道反応性と迷走神経との関連が示唆された.(4)アトピーと非アトピーの小児気管支喘息では, Dminでは有意な差はなかったが, Stは非アトピー群で高値であった.気道反応性の亢進は非アトピーの小児気管支喘息の特徴であると思われた.

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© 1987 日本アレルギー学会
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