アレルギー
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初診時における気管支喘息予後の推定 : 第3編 個人内因子・環境因子が重症化へ与える関連性について
小屋 二六水谷 正興館野 昭彦鈴木 慎一郎永田 浩三笹本 明義斎藤 誠一阿部 芳久諸井 孝
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1988 年 37 巻 5 号 p. 265-273

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抄録

小児気管支喘息児の個人内因子・環境因子が重症化へ与える影響を検討するために, 患児226名に生活環境に関する調査を行い, 同時に病歴, 各種検査データを基に, 多変量解析数量化第II類, 第III類法を用いて解析を施行した.その結果は下記のごとくであった.1)第II類法を用いて, 軽症群と中等・重症群の2群の差異を検討すると, E.I.A.の有無, 家族歴などの個人内因子の影響は大で, 建築年数を除き, 環境因子群の影響は比較的少なかった.2)解析法を第III類に変えて検討すると, 軽症群は, 個人内因子, 環境因子の両者よりの影響は少なかった.中等症群は, 個人内因子の影響が強く, 重症群よりも強い例も多かったが, 環境因子よりの影響は少なかった.重症群は, 個人内因子の影響は, 中等群と同等ないしは, やや少なめなのに対し, 環境因子の影響は一番強く受けていることが判明した.

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© 1988 日本アレルギー学会
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