アレルギー
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食物アレルギーにおけるファルマシアRAST RIAの臨床的有用性の検討
岩崎 栄作馬場 実宮本 昭正我妻 義則舘野 幸司高橋 昭三西片 光根本 俊彦川合 満倉沢 卓也長野 準柴田 瑠美子
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1988 年 37 巻 6 号 p. 371-380

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抄録

食物アレルギーの臨床症状を有する患者69例(気管支喘息, アトピー性皮膚炎, 蕁麻疹, 鼻アレルギー, 胃腸アレルギー)を対象に食物アレルゲンのRASTを施行し, 各アレルゲンの臨床面における有用性について検討を行った.1)卵アレルギーでは, 卵白, 卵黄, 鶏肉の順にRAST陽性率は高く, 卵関連アレルゲンは卵白でスクリーニングできると考えられた.2)牛乳アレルギーでは, カゼインは乳清分画のα-ラクトアルブミン, β-ラクトグロブリンよりRAST陽性率は高く, カゼインとチーズはほぼ同等のRAST結果であった.牛乳RAST陽性では牛肉にも陽性がみられ, 注意が必要である.3)穀類, 豆類のアレルギーでは, 小麦, 米, ソバ, 大豆, ピーナッツは臨床上重要なアレルゲンであり, 高いRAST陽性率を示した.ゴマもRAST陽性率は高く, 重要なアレルゲンと考えられた.4)魚類, 甲穀類のアレルギーでは例数は少ないがRASTの有用性が認められた.肉類, 野菜, 果物では例数も少なく, さらに検討を加える必要がある.

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© 1988 日本アレルギー学会
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