アレルギー
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マウスの呼吸抵抗測定装置を用いたメサコリンによる気道過敏性の検討
須甲 松伸越野 健土肥 眞杉山 温人奥平 博一伊藤 幸治
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1990 年 39 巻 12 号 p. 1629-1632

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抄録

我々はマウス用にオシレーション法による呼吸抵抗測定装置を作製し, egg albuminに感作したマウスと非感作マウスにmethacholineの点鼻を行い, その気道過敏性を検討した.感作マウス群では, 3mg/0.03ml/匹のmethacholineを点鼻すると, その呼吸抵抗(Rrs)は全て点鼻前に比べ2倍(200%Rrs)以上に上昇した.一方非感作マウスでは同量のmethacholineの点鼻投与を行っても200%Rrsに達せず, 感作マウス群の呼吸抵抗の上昇率は非感作マウス群に比べて統計的に有意であった(<0.01).200%Rrs以上を示したマウスの肺組織像では, 気管支平滑筋の著明な収縮と気道の細胞浸潤および浮腫がみられた.これらの結果は, 新しい呼吸抵抗測定装置がマウスの気道閉塞を捉えるのに有用であること, そして抗原の感作によりmethacholineに対してマウスの気道の過敏性が高まることを示している.

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© 1990 日本アレルギー学会
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