アレルギー
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健常人末梢血T細胞によるIgM-Rheumatoid Factor産生の調節機構
広畑 俊成井上 哲文宮本 昭正
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1990 年 39 巻 2-1 号 p. 82-89

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抄録

健常人のB細胞がリウマチ因子(RF)を産生しうることはよく知られているが, その調節機構等は不明の点が多い.今回我々は種々の刺激を用い, 健常人末梢血B細胞のIgM-RF産生におけるT細胞(T4・T8細胞)の役割の解析を行った.Staphylococcus aureus刺激ではB細胞はT4細胞の存在下にのみIgM-RFを産生したが, IL2添加によりT4・T8細胞の両者がIgM-RF産生を増強した.この増強効果はT細胞のmitomycin C(MMC)処理により著減した.抗CD3抗体(64.1)刺激ではMMC処理T4細胞の存在下でB細胞は多量のIgM-RFを産生した.MMC処理T8細胞のIgM-RF産生細胞の誘導能はT4細胞より著明に低かった.MMC非処理T4・T8細胞は逆にIgM-RF産生を抑制した.以上より刺激の種類によってT細胞のRF産生の調節能は変化することが明らかとなった.

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© 1990 日本アレルギー学会
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