アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
Enzyme-Linked Immunosorbent Assayによるスギ花粉, ヒョウヒダニアレルゲンの定量とアレルゲンエキス標準化への応用
安枝 浩秋山 一男前田 裕二早川 哲夫金子 富志人長谷川 眞紀信太 隆夫
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 40 巻 9 号 p. 1218-1225

詳細
抄録

in vitroにおけるアレルゲンエキスの標準化を実用化することを目的として, enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)によるスギ花粉, ヒョウヒダニのmajor allergen, CryjI, およびDer I (Der p I/Der f I), Der II (Der p II/Der f II)の簡便な定量法を開発した. 抗血清のIgG分画を吸着させたマイクロプレートのウエルに, アレルゲンエキス, ビオチン化したIgG分画, 市販のストレプトアビジン-酵素結合物を順次反応させた後, 固相に結合した酵素活性を比色法で検出した. 本法は高い検出感度(〜0.2ng/ml)と満足すべき再現性(CV%=1.9〜13.8%)を有しており, 本法での測定値は従来のradioimmunoassayでの測定値と良好な相関関係(r=0.967〜0.990)を示した. 更に, 本法で測定した3種類のロットのスギ花粉, 室内塵エキス中のmajor allergenの濃度は, 皮内テストの閾値から求めた各エキスの相対的な力価とよく一致した. 以上の結果から, このELISAによるアレルゲン定量法はアレルゲンエキスの標準化に有用であると考えられた.

著者関連情報
© 1991 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top