1992 年 41 巻 10 号 p. 1488-1491
新規抗アレルギー薬であるIPD-1151T (suplatast tosilate) の, 肥満細胞の分化増殖におよぼす影響を, in vitroにおける細胞培養系を用いて検討した. マウスの脾細胞をインターロイキン3を含むRPMI-1640培地に浮遊させ, 37℃, 5%CO_2の気相下で培養した. 培養開始後経時的に肥満細胞の数を測定したところ, 16日目にその数は最大となり, それ以後次第に減少した. 上記の細胞培養系にIPD-1151Tを添加して培養したところ, 肥満細胞の分化増殖が強く抑制され, この増殖抑制作用は薬剤の濃度に依存的であった. これらの結果は, IPD-1151Tがin vitroにおいて, 肥満細胞の分化増殖に対して抑制的に作用したことを示している.