アレルギー
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小児気管支喘息重症発作に対するイソプロテレノール持続吸入療法 : 第2報 年少児と年長児における差の検討
足立 雄一吉住 昭五十嵐 隆夫高柳 幹高野 雅子尾上 洋一萱原 昌子足立 陽子松野 正知村上 巧啓岡田 敏夫
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1992 年 41 巻 11 号 p. 1584-1590

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抄録

気管支喘息重症発作に対する1体イソプロテレノール (プロタノールL^(R)) 持続吸入療法の効果を6歳以下 (A) と7歳以上 (B群) の2群に分けて検討した. 対象は男児17名, 女児14名延べ42例. A群20例全例とB群22例中21例は本療法により軽快した. 開始時のWoodのスコアは有意にA群で高値であり, SpO_2値は有意にA群で低値であった. スコア5〜6点の22例に限ってみると, SpO_2値や点滴開始から持続吸入療法開始までに要した時間には有意差を認めず, 発作からアミノフィリン点滴開始までの日数はA群で有意に長時間を要した. スコアが0点になるまでに要した時間はA群が有意に長時間であり, 著効者の占める割合もA群において有意に低かった. イソプロテレノール投与量はA群で有意に多かった. 以上より, 本療法はその効果に年齢による差が若干あるものの年少児においても十分に安全かつ有効な治療法であると考えられた. 年少児ではSpO_2値を参考としてより早期に, より大量の吸入を開始することによってさらに効果があがるものと思われた.

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© 1992 日本アレルギー学会
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