アレルギー
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カンジダ抗原刺激に対する気管支喘息患者末梢血単核球からのIFN-γ産生能について : 重症喘息を中心に
木村 五郎小栗栖 和郎宗田 良多田 慎也高橋 清木村 郁郎
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1992 年 41 巻 12 号 p. 1717-1721

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抄録

IFN-γは抗原によるリンパ球の活性化に際して産生されるリンホカインであり, IL-4によるIgE抗体産生を抑制するが, B-cellの分化促進作用, 白血球のleukotriene C4産生促進作用も報告され, アレルギー反応において多様な作用を示す. 我々は気管支喘息におけるIFN-γの作用を検討する目的で, 喘息患者20例において末梢血単核球からのカンジダ抗原によるIFN-γ産生能を測定し, 病型, 重症度, 血清中カンジダ特異的IgG1抗体との関連を検討し以下の結果を得た. (1) カンジダ抗原による末梢血単核球のIFN-γ産生能は, 健常者, アトピー型軽症中等症群, アトピー型重症群に比して, 非アトピー型重症群において有意に高値を示した (p<0.05). (2) カンジダ抗原による末梢血単核球のIFN-γ産生能と血清中カンジダ特異的IgG1抗体との間には有意な正の相関が認められた (r=0.72, p<0.01). 以上より, 特に非アトピー型重症喘息において, カンジダ抗原に対するIgG1抗体と, IFN-γ産生能が共に高値を示す症例が認められ, 両者の産生が気管支喘息の重症化に関与する可能性が示唆された.

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© 1992 日本アレルギー学会
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