1992 年 41 巻 4 号 p. 485-488
2歳から15歳までの小児期気管支喘息児295名を対象に, 発作時及び非発作時に血液検査, 胸部レントゲン撮影と共に鼻汁細胞診を行った. 鼻汁中のウイルス感染変性細胞ciliocytophthoria (CCP) を感染マーカーとして検索した. 5歳以下の児では, 発作時CCP 2+以上は38/70 (54.3%), 非発作時6/29 (20.7%) と発作時に有意のCCPの増加を認めた. しかしCCP陽性発作群とCCP陰性発作群では感染徴候の陽性率や胸部レントゲン上の異常影出現率に差を認めなかった. 以上の結果より, 年少児において喘息増悪時のウイルス感染を細胞診により評価することができたが, 血液やレントゲン像ではウイルス感染をチェックすることはできなかった.