アレルギー
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気管支喘息患者の血小板トロンボキサンA_2受容体の測定
波田 重英橋爪 誠吉岡 二三西井 聡安永 幸二郎
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1993 年 42 巻 5 号 p. 609-616

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抄録

気管支喘息患者の血小板TXA_2/PGH_2受容体の特性を調べるために, TXA_2/PGH_2受容体拮抗薬S-145を^3Hで標識した[^3H]-S-145を放射性リガンドとして, 喘息患者15名および健常成人8名のゲル濾過洗浄血小板に対してradio-binding assayを施行した。Scatchard解析により受容体の結合特性を示す解離定数 (Kd), および最大結合部位教 (B_<max>) を算出した。同時に採取した静脈血を遠心分離して得られた多血小板血漿 (PRP) を用いて, Bornの方法 (比濁法) に従って種々の濃度のTXA_2類似体U-46619により惹起される血小板凝集率を測定し, 濃度-反応曲線から最大血小板凝集能の50%の凝集をもたらす濃度 (EC_<50>) を算出した。喘息患者と健常人では, Kd値に有意差を認めなかった。喘息患者の一部にはEC_<50>が低値を示し, かつB_<max>が高値を示す群が存在した。EC_<50>とB_<max>間には逆相関が認められた。一部の喘息患者では血小板のTXA_2/PGH_2受容体数が増加していることがあきらかになった。

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© 1993 日本アレルギー学会
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