アレルギー
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アトピー性皮膚炎の原因食物抗原診断におけるRadioallergosorbent Testの有用性と限界について
小倉 由紀子小倉 英郎厨子 徳子森田 英雄倉繁 隆信
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1993 年 42 巻 6 号 p. 748-756

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抄録

アトピー性皮膚炎の原因食物抗原の診断におけるRASTの有用性と限界を明らかにするために, 経口誘発試験との関係を検討した。卵白RAST score 0では, 200例中, 誘発陰性108例 (54.0%), 非即時型反応63例 (31.5%), 即時型反応29例 (14.5%), 卵白RAST score 1では, 16例中, 誘発陰性3例 (18.8%), 非即時型反応11例 (68.8%), 即時型反応2例 (12.5%), 卵白RAST score 2では, 19例中, 誘発陰性2例 (10.5%), 非即時型反応6例 (31.6%), 即時型反応11例 (57.9%), 卵白RAST score 3では, 21例中誘発陰性1例 (4.8%), 非即時型反応3例 (14.3%), 即時型17例 (81.0%), 卵白RAST score 4では7例全例 (100%) が, 即時型反応を呈した。牛乳および大豆についても, 同様の傾向がみられた。RAST scoreが高いほど経口誘発試験での誘発率が高い傾向を有し, 特に即時型反応を呈する例の多いことが明らかとなった。一方, RAST score 0の症例中, 卵では46.0%, 牛乳では51.7%, 大豆では26.9%が誘発陽性であり, 注目すべき所見と考えられた。

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© 1993 日本アレルギー学会
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