アレルギー
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免疫性神経疾患における血中および髄液中Interleukin-6の検討
島田 一秀高 昌星柳沢 信夫
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1993 年 42 巻 8 号 p. 934-940

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抄録

免疫性神経疾患患者の血中および髄液中のinterleukin-6 (IL-6) を抗IL-6モノクローナル抗体を用いたELISA (enzyme linked immunosorbent assay) 法で定量した。血中IL-6は多発性硬化症 (MS), ギラン・バレー症候群 (GBS), 重症筋無力症, 多発筋炎で対照に対し有意に高値であった。髄液中IL-6は中枢性脱髄疾患であるMSで対照に対し有意な高値を示したが, 末梢性脱髄疾患であるGBSでは対照群と差がなかった。またMSの髄液中IL-6は髄液中の細胞数, 総蛋白量, IgGと有意な相関を認めたが, 血中IL-6との相関は認めなかった。これらの免疫性神経疾患のIL-6の高値は神経修復と炎症及びpolyclonal B-cell activationを示唆し, MSでは血中および髄腔内, GBSでは血中のみのactivationを示唆する。

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© 1993 日本アレルギー学会
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