1994 年 43 巻 4 号 p. 557-562
活性化抗原CD69は活性化リンパ球で発現し, その機能としてシグナル伝達過程への関与が指摘されている. 最近我々は好酸球性肺炎患者の気管支肺胞洗浄液中好酸球にもCD69抗原が発現することを報告した. 今回, 我々は各種疾患患者の気管支肺胞洗浄液中好酸球, 胸水中好酸球および末梢血好酸球におけるCD69発現をフローサイトメトリー法を用いて検討した. 結果は疾患を間わず局所好酸球では明らかなCD69の発現を認めたが, 末梢血好酸球ではほとんどの疾患で発現していなかった. これらの知見からCD69抗原は局所好酸球のマーカーであり, 局所好酸球は末梢血好酸球とは機能的に異なる可能性が示唆された.