アレルギー
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Theophylline服用中の気管支喘息児における血清中 Vitamin B_6濃度について
田中 勲平賀 由美子稲葉 淳藤野 光喜小林 嘉一郎
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1994 年 43 巻 9 号 p. 1172-1178

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抄録

theophylline服用中の気管支喘息児における vitamin B_6の動態を検討する目的で, 徐放性 theophylline製剤服用期間が4週以内の A群22例 (平均8.5±3.9歳), 5週以上のB群20例 (平均7.3±3.2歳)について, 血清中の theophylline濃度および vitamin B_6濃度を測定した. 血清中 theophylline濃度は両群間に有意な差がみられなかったが, 血清中 vitamin B_6濃度はA群 (8.38±2.41ng/ml)が B群 (4.58±2.41ng/ml)より有意に高値(p<0.01)であった. また, 血清中の theophylline濃度と vitamin B_6との間には有意な相関は認められなかった. この成績から, theophyllineを長期間服用中の気管支喘息児では theophylline血中濃度が冶療域にあるにもかかわらず, 血清中の vitamin B_6濃度が低下し, 脳内 gamma-aminobutyric acidの減少によりけいれん閾値が低下すると考えらられた.

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© 1994 日本アレルギー学会
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