アレルギー
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新しい皮膚テスト用器具開発の試み
長谷川 眞紀工藤 誠遠藤 繁前田 裕二秋山 一男建部 鎮
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1998 年 47 巻 5 号 p. 500-503

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抄録

我々は, 習熟を要さず, 簡便に皮膚テストが施行できる器具を開発した.器具は二つの部分からなり, 一つは複数個のギヤを固定版に等間隔に配し, 同時に回転するようにしたものである.各々の回転ギヤの下部にディスポーザブル針保持筒を設けた.ディスポーザブル針は下面に凹面を形成し, かつその凹面内に偏心性に針を突出させたもので, 保持筒に着脱できるようにしたものである.もう一つは, 針保持筒に対応した位置に配置した多連式アレルゲン液槽である.アレルゲン液を満たした液槽にディスポーザブル針を浸すと下面の凹面内に表面張力によりアレルゲン液が保持され, 皮膚に密着させてギヤを回転させたときに, 針によって傷つけられた皮内に侵入して皮膚反応を起こす.凹面内に保持されるアレルゲンの量も, 針によってつけられる皮膚の傷の長さ, 深さともほぼ一定であり半定量的な検査である.23名の患者に施行し, スクリーニングテストとして満足できる結果を得た.

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© 1998 日本アレルギー学会
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