アレルギー
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小児気管支喘息発作の治療における吸入器の粒子径及び吸入量の違いによる呼吸機能改善の検討
山口 博明大鹿 栄樹中野 裕史金子 家明中山 徹三ツ林 恭子椎貝 典子岡田 文寿三ツ林 隆志佐々木 望鈴木 五男赤坂 徹
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2004 年 53 巻 11 号 p. 1152-1162

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抄録

吸入療法において, 粒子径の大小の比較及び吸入される量の比較をβ2刺激薬吸入による気管支拡張効果で行った. 1)2種の日商式ネブライザー(R)(MMD:7.43μm, MMD:10.76μm)とMMD:4.0μmのLCプラスネブライザー(パリ, ターボボーイ(R))を比較すると, FEV1. 0改善率はLCプラスが日商式の2種より吸入15分後で有意な改善傾向を示した(p<0.05). 他の呼吸機能検査も, 同様であった. 2)吸入される量の比較では, 日商式ネブライザーにおいて, Y字管を使用して吸気時にのみ噴霧する(日商Y+)とY字管を使用しない(日商Y-), ならびにLCプラスにおいてバルブシステムを使用したLC+と使用しないLC-とについて吸入効果を検討した. 日商Y+は日商Y-より, LC+はLC-より吸入される量が多く, 吸入量の喪失が少ない方が改善率が良かった. 3)DSCGの肺内沈着率を表す尿中DSCG排泄量の検討では, LC+, 日商Y+, LC-, 日商Y-の順で排泄量が多く, 呼吸機能の改善効果とほぼ一致する値であった. 粒子径中央値が5μm以下と小さく, 吸入量の喪失が少なく吸入される量が多いネブライザーが良好と考えられた.

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© 2004 日本アレルギー学会
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