アレルギー
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血清IL-4, IL-5およびIgG分画を測定した末梢血好酸球増加と血清IgE上昇を伴った原発性Sjogren症候群の1例
東 直人片田 圭宣原田 芳徳有本 啓恵木村 淑美寺田 晴子辻野 和之木田 博山本 傑工藤 枝里子梅下 光子美馬 亨佐伯 行彦
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2005 年 54 巻 7 号 p. 646-651

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抄録

62歳男性.両顎下・耳下腺部腫脹, 口渇, 眼の乾燥感を自覚し, 近医受診.末梢血好酸球増加(3309/μl), 血清IgE高値(1821IU/dl), 高γグロブリン血症(IgG 6049mg/dl)を指摘され当科を紹介受診.初診時腎障害と胸部X線上間質陰影を認めたため当科入院.抗SS-A・抗SS-B抗体は陰性であったが, 眼科検査や唾液腺シンチグラフィー等より原発性Sjogren症候群(SjS)と診断された.腎障害が急速に進行したためプレドニゾロン30mg/日で加療を開始したところ, 口渇, 唾液腺腫脹, 好酸球数, IgG・IgE値, 腎機能, 間質陰影は速やかに改善した.SjSで末梢血好酸球が30%以上に著増することや血清IgEが上昇することは稀である.本症例では好酸球やIgEが増加する種々の原因は除外でき, SjSが好酸球増加と血清IgE上昇に関連する可能性が考えられた.本症例では血清IL-5及びIgG4が上昇しており, Th2サイトカインの上昇によって著明な好酸球増加とIgE上昇が誘導されたと考えられ, この様な病態を呈するSjSの一亜群の存在が示唆された.

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© 2005 日本アレルギー学会
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