アレルギー
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空中飛散スギ,ヒノキ花粉数の最近の年次推移
奥田 稔宇佐神 篤岸川 禮子
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2006 年 55 巻 12 号 p. 1531-1535

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抄録
【背景】有病率,感作率,花粉調査の疫学からスギ,ヒノキ科花粉空中飛散数は過去40年間一途に増加していると推定されているが,年次変動が大で,主観的判断がされている.客観的科学的方法による判断が必要である.【方法】1986年から2005年にスギとヒノキを分離して持続的に観察した全国11地域の空中飛散花粉数を観察実数,移動平均値を用いて単回帰分析法による年次トレンドを解析した.【結果,結論】回帰分析単回帰直線の有意の傾き<回帰係数>はp<0.05,R^2>0.4とすると,実数,3項移動平均値では有意ではなく,5項移動平均値でのみスギで11地区中6,ヒノキで5地区で有意の増加が示唆された.年次変動の大きい花粉数の解析には自己相関による推計誤差を補正する移動平均値を用いた回帰分析が客観的科学的の観点で有用であった.
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© 2006 日本アレルギー学会
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