アレルギー
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好乾性真菌Aspergillus restrictus A17株のアレルゲン活性
板橋 武史細江 智夫戸矢崎 紀紘今井 俊道足立 満河合 賢一
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2007 年 56 巻 2 号 p. 101-108

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抄録

【背景・目的】好乾性真菌Aspergillus restrctusは,低水分活性培地を用いるとハウスダスト中に多量に検出されている.また,真菌抗原は,調整法によりアレルゲン組成が異なることから,種々の調整法によるアレルゲン活性を検討し,新たな好乾性真菌アレルゲンの開発を目指す.【方法】種々の培養および抽出方法により4種のA. restrictusエキスを得,喘息患者血清中の特異的IgE保有率およびA. fumigatusとの交差抗原性をELISAおよびELISA inhibitionにより検討した.更に,電気泳動による成分分析を行った.【結果】4種のA. restrictus抗原は,成人喘息患者においてそれぞれ20から48%の特異的IgE保有率を示した.ELISA阻害試験において11名の喘息患者中5名にA. fumigatusに阻害が認められた.【結語】4種のA. restrictus抗原溶液は,喘息患者の特異的IgE保有率から,どれも抗原と成り得る可能性が示唆された.但し,エキスの調整方法には多少影響されることが示唆された.更に,A. restrictusとA. fumigatus間に交差抗原性が認められた.

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© 2007 日本アレルギー学会
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