アレルギー
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びまん性紅斑と血管浮腫を呈した塩酸エペリゾン(ミオナール[○!R])による薬疹1例
上野 孝川名 誠司
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2007 年 56 巻 7 号 p. 709-713

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抄録
塩酸エペリゾン(ミオナール[○!R])による薬疹症例を加療する機会を得たので報告する。症例は23歳の女性であった.感冒症状および頭痛・関節痛に対してロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン[○!R])を含む数種の薬剤と共に塩酸エペリゾン(ミオナール[○!R])を投与された.内服2時間後に四肢末梢に血管浮腫を生じ,次第に皮疹が全身に拡大した.薬剤中止後,入院加療を行いステロイド剤の点滴静注および外用にて皮疹は軽快した。内服試験により4時間後に皮疹を生じ,原因薬剤を塩酸エペリゾンと同定した.塩酸エペリゾンによる薬疹は自験例を含めこれまでに18例の報告があり,そのうち蕁麻疹・アナフィラキシー型が8例と多<みられた.即時型アレルギーが多いとされる蕁麻疹・アナフィラキシー型の症例でも症状発現までに内服後数時間要した症例があった.
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© 2007 日本アレルギー学会
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