2010 年 59 巻 8 号 p. 956-964
【背景,目的】気管支喘息評価の指標としてFeNOは有用である.普及しやすい方法としてオフライン法と携帯型FeNO測定器(NIOXmino)が挙げられるが,それぞれの互換性についての成人の報告はない.【対象,方法】ステロイド治療で安定した成人気管支喘息39例を対象とした.FeNOをオフライン法(SIEVERS法,CEIS法)及びNIOXminoを用いた3つの方法で測定し,スパイロメトリーを行った.【結果】NIOXminoによるFeNO測定値(FeNO_<NIOXmino>)は,オフライン法2法それぞれと強い正の相関を認めた(FeNOsievers vs FeNO_<NIOXmino>,r=0.935,p<0.001,FeNO_<CEIS> vs FeNO_<NIOXmino>,r=0.908,p<0.001,FeNOsievers vs FeNO_<CEIS>,r=0.976,p<0.001).ただし,FeNO_<NIOXmino>はオフライン2法に比較し有意に低値であった(FeNO_<NIOXmino>=0.672×FeNOceis,FeNO_<NIOXmino>=0.848×FeNOsievers).【結語】FeNOは測定の方法論で若干の違いがあるため,異なる方法論による測定の結果判定のためには変換するための補正式が必要である.