アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
Lactobacillus acidophilus L-55含有ヨーグルト飲用のスギ花粉症に対する臨床効果の検討
木村 五郎赤木 博文岡田 千春平野 淳天野 佳美大村 悦子中重 歓人砂田 洋介藤井 祐介中村 昇二宗田 良高橋 清
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 61 巻 5 号 p. 628-641

詳細
抄録

【背景・目的】Lactobacillus acidophilus L-55 (L-55株)には,マウスアレルギーモデルに対する症状緩和効果が認められている.そこでL-55株含有ヨーグルト飲用による,スギ花粉症臨床指標への影響について検討した.【方法】スギ花粉症患者にL-55株含有ヨーグルト(L-55ヨーグルト群, n=26)あるいは非含有ヨーグルト(対照ヨーグルト群, n=26)を花粉飛散時期を含む13週間飲用してもらい,症状スコア,症状薬物スコア,IgE抗体について検討した.【結果】L-55ヨーグルト群の総症状スコアと症状薬物スコアは,対照ヨーグルト群より低い傾向が認められた.特に治療薬併用例(n=23)では, L-55ヨーグルト群の花粉飛散後第5週の総症状スコア,第4週の咽喉頭症状スコアおよび第1週の総IgEの変化比が有意に低値であった.【結語】L-55株はスギ花粉症に対する緩和効果を有し,治療薬の併用により効果的に症状を軽減,あるいは使用薬剤を減量することが期待された.

著者関連情報
© 2012 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top