アレルギー
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シラカバ花粉の急速皮下注射免疫療法が有効であった口腔アレルギー症候群の1例
岡本 義久栗原 和幸
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2012 年 61 巻 5 号 p. 652-658

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抄録

症例は関東地方に居住する15歳女児. 2歳時にアレルギー性鼻炎と診断され, 5歳時に,口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome, OAS)を発症し,広範な果物・野菜に反応するようになった.アレルギー性鼻炎を主訴に当科を紹介され, 15歳時にシラカバ・ブタクサ・スギ花粉の急速皮下注射免疫療法(rush subcutaneous immunotherapy, rush SCIT)を行った.急速期前後で一重盲検リンゴ経口負荷試験を行い,口腔違和感・掻痒はnumerical rating scale (NRS)で治療前3/10点に対して,治療後は陰性化した.オープン法リンゴ負荷試験の結果,症状なく摂取可能な量は1.5gから50g以上に増加した.その後,各種果物・野菜の負荷試験を行ったところ,いずれも臨床症状の改善または消失が認められた.シラカバ花粉に対する免疫療法がpollen-food allergy syndrome (PFAS)に対して有効である可能性が示唆された.

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© 2012 日本アレルギー学会
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