アレルギー
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強制オシレーション法の測定方法による測定値への影響
中村 俊紀今井 孝成矢川 綾子宮沢 篤生北條 菜穂石川 良子神谷 太郎板橋 家頭夫
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2014 年 63 巻 1 号 p. 45-51

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抄録

【背景】強制オシレーション法による呼吸機能測定法は,頬抑え有無や頬抑えに伴う上肢の挙上が測定結果に影響する可能性がある.このため,モストグラフにおいて異なる測定方法を行い,理想的測定姿勢を検証した.【方法】成人19名を対象とした,測定方法は1.頬抑えさえあり,頬抑えは被験者本人が行う, 2.頬抑さえあり,頬抑えは験者が後方から行う, 3.頬抑えなし,被験者自ら頬を緊張させる, 4.頬抑えなし,頬緊張なしの4種類の手技により行い, R5, R20, R5-R20, X5, Fres, ALXの変動を比較した.【結果】呼吸抵抗はR20で測定方法4が最も低く,測定方法1(p<0.01)及び2(p<0.01)と有意差を認めた. R5-R20は測定方法2が最も低く,測定方法3(p<0.01)及び4(p<0.01)と有意差を認めた.リアクタンスは測定方法2が最も高く,全ての測定値において測定方法1と4と有意差を認めた.【結語】モストグラフの測定値は頬抑えの有無や上肢の位置に影響されて変動することが判明した.測定時は測定方法を統一し行うことが必要であり,測定方法1が現実的で理想的と考えられた.

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© 2014 日本アレルギー学会
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