アレルギー
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原著
スギ花粉症における舌下免疫療法191例の初年度治療成績
湯田 厚司小川 由起子鈴木 祐輔有方 雅彦神前 英明清水 猛史太田 伸男
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2015 年 64 巻 10 号 p. 1323-1333

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抄録

【背景】本邦初のスギ花粉症舌下免疫療法(SLIT)薬が発売された.  【目的】スギ花粉症SLITの初年度の臨床効果を検討する.  【方法】初年度(2015年)のスギ花粉飛散ピーク時にSLIT191例,皮下免疫療法(SCIT)48例(治療開始後1年目の他に36例の2年目以降を含む),初期療法191例,飛散後治療141例,未治療169例で,日本アレルギー性鼻炎QOL調査票,visual analog scale,各症状スコアおよび症状薬物スコアで評価した.  【結果】軽微な副反応を40.5%に認めたが,治療中止例はなかった.ドロップアウトは5例(2.2%)で,やむを得ない理由での中断が3例(1.3%)であった.薬剤服用率は89±12%であった.ほぼ全ての項目の平均値でSCITはSLITより良かったが有意な差ではなかった.SCITとSLITは他の薬物療法より有意に良好であった.併用薬の無い,鼻眼症状スコアが1点以下の例はSLITの16.8%であった.  【結語】SLITは,SCITより若干効果で劣るが有意ではなく,初期療法などの薬物治療より有意に良好であった.

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© 2015 日本アレルギー学会
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