アレルギー
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原著
呼気一酸化窒素濃度測定と強制オッシレーション法を用いた呼吸抵抗測定による治療中の成人気管支喘息患者における気道過敏性の予測
福原 正憲粒来 崇博中村 祐人富田 康裕濱田 祐斗渡井 健太郎林 浩昭上出 庸介関谷 潔史三井 千尋福冨 友馬森 晶夫谷口 正実
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2017 年 66 巻 1 号 p. 42-49

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抄録

【背景】気道過敏性試験は気管支喘息の診断および治療評価の指標に有用だが,侵襲が大きい.一方呼気一酸化窒素測定(FENO)は好酸球性気道炎症の指標,強制オッシレーション法(FOT)モストグラフ®は呼吸抵抗の指標として,気管支喘息の評価に有用である.非侵襲性の指標であるFENOとFOTを用いて気道過敏性が予測可能であるかどうかの検討を行った.

【方法】国立病院機構相模原病院で治療し安定している気管支喘息患者115例(男54例,女61例)を対象とした.FENOをCEIS法で測定後モストグラフと気道過敏性検査(アセチルコリン)を行った.

【結果】logPC20AchとFENO,R5,R20,R5-R20,%FEV1で有意な相関を認めた.カットオフ値をR5=4.24cmH2O/L/S,R20=2.77cmH2O/L/S,FENO=37.8ppbとした場合,気道過敏性陽性率は,R5<4.24かつFENO<37.8の場合は17.2%,R5>4.24かつFENO>37.8の場合は65.7%,R20<2.77かつFENO<37.8の場合は7.1%,R20>2.77かつFENO>37.8の場合は66.6%であった.

【結語】気道過敏性検査の結果をR5またはR20と,FENOの組み合わせで予測可能である.

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© 2017 日本アレルギー学会
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