アレルギー
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原著
シダキュア®錠によるスギ花粉舌下免疫療法の経年的治療効果とダニ舌下免疫療法(Dual SLIT)併用の影響
湯田 厚司小川 由起子村尾 拓哉神前 英明清水 猛史
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2022 年 71 巻 9 号 p. 1122-1128

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抄録

【背景・目的】舌下免疫療法(SLIT)の効果と経年的効果の増強を検討した.

【方法】シダキュア®錠で治療した358例(治療期間;3年目126例,2年目102例,1年目130例)を対象とした.2022年スギ花粉期(総数2485個/cm2)に鼻眼症状と全般症状の視覚的症状尺度(VAS)と薬物スコアを評価した.対象にダニ併用SLIT(Dual SLIT)例が多いため,副解析にスギ単独とダニ併用のSLITを比較した.

【結果】全症状のVAS値は治療1年目より3年目で低く,効果が高かった(p<0.01).くしゃみと鼻みずは2年目より3年目で,眼の痒みは1年目より2年目で低VAS値であった(p<0.05).薬物スコアは1年目より3年目と2年目で低値を示した(p<0.05).Dual SLITとスギ単独SLITはほぼ同等の効果を示した.

【結語】シダキュア®錠のSLITにより効果が3年目まで経年的に高くなった.ダニSLITの併用はスギ花粉飛散期の効果に影響しなかった.

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© 2022 日本アレルギー学会
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