農林業問題研究
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個別報告論文
消費者によるネットスーパー利用
―購入後の使用プロセスに注目して―
滝口 沙也加清野 誠喜
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2016 年 52 巻 2 号 p. 59-64

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1. 背景

近年,マーケティング研究においては「サービス・ドミナント・ロジック(Service-Dominant Logic)」が注目されている.企業から提供されたグッズに付随する資源やナレッジを,顧客が「使用」というプロセスを通じ,自身のスキルやナレッジを適用することで価値が創造されるとする.そこでは,価値は「個別的で,経験的で,文脈依存的で,意味内包的である」と捉えられ,「文脈価値」と説明されている.

Lusch et al.(2007)は,小売業は顧客と直に接することから,製造業に比べて価値共創型マーケティングの優位性が高いことを指摘している.このような特徴を持つ小売業において,滝口・清野(2015)は「ネットスーパー」を対象に,他チャネルとの使い分けに注目し,青果物購入における価値の類型化を行ってきた1.そこでは,①利用者の最終的な目的や目標の違いにより,生活の中での意味や価値が異なってくるということ,②購入時のみならず,購入後の“調理”を意識した利用がされているということ,を仮説的に明らかにした.しかし,生活の中での「使用プロセス」という視点からのアプローチは残された課題となっている.

2. 目的と方法

本研究では使用プロセスに注目して,ネットスーパー利用者の文脈価値を明らかにしていく.なお,使用プロセスを捉えるにあたっては,次の2つとした.1つは,ネットスーパー利用当初から現在に至るまでの継続的な使用プロセスに注目した分析である.利用し始めた当時の印象や評価を明らかにし,それらの比較から,現在の価値を明らかにしていく‍2.そしてもう1つは,購入時だけではなく購入後の調理3も含めた視点で使用プロセスを捉える分析である.ネットスーパーでの購入後の行動に関するデータを取得し特徴の整理を行う.

これらの2つを明らかにする上では,まず,①利用当初と現在の利用に関する意識や態度の把握が求められる.そのため,意識や態度を把握するのに用いられる「個人別態度構造分析(Personal Attitude Construct,以下,PAC分析)4」を行う.また,②購入後の行動を把握するために,PAC分析終了後から30日間,「日記調査」を実施した.日記調査では,青果物購入日に購入や調理に関する行動の詳細(行動・背景・時間等)を記帳してもらい,ネットスーパーと他チャネルにおける行動の違いを把握した.なお被験者は,「月1回以上ネットスーパーを利用」し,ネットスーパー以外の他チャネルでも青果物を購入している40~60歳代の首都圏在住の既婚女性計8名である5

3. 結果

(1) 利用当初との比較からみた利用者の特徴

1はPAC分析により明らかになった,「現在」ネットスーパーに抱く価値の内容を参考に,被験者をタイプ分類したものである.なお,「利用当初」を含む分析結果については表1に整理した6

図1.

「現在」の価値(タイプ分類)

資料:調査結果より筆者作成.

1)横軸は「購入商品の幅」,縦軸は「家族を考慮する度合い」である.位置づけを行う際に,両軸の強弱を判断した根拠の詳細については,表1注2を参照のこと.

2)1~8は被験者番号,Ⅰ~Ⅴはタイプを示す.

3)各タイプの詳細については本文中を参照のこと.なお,被験者8は,現状としてネットスーパーの商品力を評価しており,他のタイプに比べ,利用シーンや価値を感じる主体が限定されていないことから,いずれの軸においても中間地点に位置づけられるタイプⅢに分類した.

表1. ネットスーパー利用者の文脈価値―まとめ―
タイプ 被験者 属性 家族構成 「利用当初」の価値・意味づけ 「現在」の価値・意味づけ
2 40代 専業主婦 夫,社会人長女,大学生次女 生協と同じ仕組みの宅配チャネルのひとつ 家族や知人が集まるホームパーティや,両親への買い置きの際に,確実な時間で大量に質の良い食材を届けてくれるので,調理に集中でき,その結果,自身の手料理で家族に喜んでもらえる
1 40代 専業主婦 生協の品質高さは評価しているが,欠品が多く,生協に比べてネットスーパーの方が商品を選べる自由度は高い 幅広い種類の中から食材を購入でき,産地の確認が画面上でスムーズにできるので買い物時間を減らしメニューを考える時間にあてられるため,効率的でスマートな自分になれる
5 40代 会社員 品質に抵抗があったが,友人の「実店舗よりも品質のよい食材が届く」というクチコミを信じ,利用 主人のためにも1品は野菜メニューを作りたいと思っており,1週間分のメニューを考えながら,食材を無駄にしないよう計画的な購入ができる
6 60代 専業主婦 ネットスーパーで取りあつかう,野菜の種類が少ないので,メインで利用するスーパーでの購入をサポートする補助的な存在 自身の健康管理や主人の大好きな晩酌のための調理には,大量の野菜が必要でネットスーパーはなくてはならない存在
8 60代 パート 品質の面が気になりつつも,スーパーよりもお得な日や,ネットスーパーでしか購入できない食材がある場合に利用 時間を選ばずに買い物ができるので,仕事に忙しい毎日を送る自分でも,買い物という部分で家事に参加することができる
3 40代 専業主婦 夫,高校長男,中学次男 友人から「質の良い食材が届く」というクチコミがきっかけで利用し始めたが,自分で選ぶよりも目利きが優れているので助かる 自分の趣味である,バトミントンの練習の時間を確保したり,自分が楽できる,頼れる存在
4 50代 会社員 夫,社会人長男,大学長女 本当は青果物は自分の目で品質を確かめたいが,子供のお弁当の色どりに野菜は欠かせないのでしょうがなく利用 1週間をリフレッシュするための週末のホットヨガ(趣味)の時間を確保するためにも欠かせない存在
7 40代 専業主婦 自分の目で選びたいという気持ちが強く,利用することに不安を感じていた 自宅近くに買いものをする場所がないため,ネットスーパーは食生活を支えるために欠かせない存在

資料:ネットスーパー「利用当初」と「現在」についてのPAC分析結果より筆者作成.

1)表中のタイプ(アルファベット),被験者番号(数字)は本文中と対応.

2)図1の軸として設定した「購入商品の幅」に関連する内容については一重線,「家族を考慮する度合い」に関連する内容については太字,で示す.

タイプⅠ(購入商品:狭/家族:高)は,家族が関わるシーンに限定し,ネットスーパーを利用する.被験者2は,家族や知人が集まるホームパーティ時や両親の作り置きの際に利用することが多い.このことからも,ネットスーパーは欠品なく,確実な時間帯に届けてくれる点を評価しており,“料理の時間が確保でき,家族や知人に喜んでもらえる”ものとして位置づけている.ネットスーパー利用当初は,生協も利用していたことから,“生協と同じ仕組みの宅配チャネル”として捉えていた.しかし,「パーティメニューには,大量に質の良い食材が必要で,調理時間もしっかりと確保したい.買い物時間の短縮という面では,生協もパーティ用の食材購入に使えそうだが,欠品したり宅配時間が指定できないので利用できない」と発言し,生協との比較を通じてネットスーパーの評価が利用当初に比べて高まったことが読み取れる.また,「『チャーハン用にレタスを炒めたいので,固めのものが欲しい』と注文時に伝えることも多い」という発言もなされ,個人の要望に合わせて食材を調整してくれるネットスーパーの柔軟な対応を評価する様子も見受けられた.

それに対し,ネットスーパーが家族の健康維持や食事作りの効率化に役に立つとするのがタイプⅡ(購入商品:広/家族:高)である.利用当初は,自分の目で食材を確かめられない不安や,商品数が少ないことに不満を感じ,メインチャネルを補完する存在に留まっていた.しかし,利用するにつれネットスーパーの商品数が増加することで,「選択の幅が広がった(被験者1)」「使いきれる量を計画的に購入できようになった(被験者5)」等の評価がされ,「主人のために毎食1品は野菜メニューを取り入れたい(被験者5)」や「健康管理や主人の大好きな晩酌メニューには,大量の野菜が欠かせない(被験者6)」「産地の確認がしやすいので,食材を選ぶ手間や買い物に出かける時間を減らしメニューを考える時間にあてられる(被験者1)」等の発言からは,ネットスーパーを利用することで買い物時間を減らし調理時間を充実できることに価値を感じている.そして現在は,“家族の健康や,食材を選ぶ自由度の高さを考慮した使い方ができる”存在となっている.

一方,ネットスーパーでしか購入できない商品に魅力を感じ利用するのがタイプⅢ(購入商品:中/家族:中)である.「あまおう等目新しいものがあればよく購入する」「主人が作った買い物リストを参考に注文する」といった発言が被験者8でなされ,普段仕事に忙しく家事を任せっきりの自分でも,“買い物という部分で家事に参加できる”とし,ネットスーパーに購入チャネルとしての価値を感じている.

さらには,ネットスーパーを利用することで買い物の時間を減らし,趣味(バトミントンやホットヨガ)の時間を捻出できることに価値を感じているタイプⅣ(購入商品:狭/家族:低)もいる.ネットスーパーを“自分の時間を確保するために欠かせない存在”と捉えている.ネットスーパーを使い始めた頃,被験者4は,自分の目で食材を確かめられないことに不満を感じていたが,「実店舗で商品を丁寧にピッキングしているネットスーパー担当者を見て,品質への安心感がわいた」と発言しているように,現在は品質への不安はなくなったようである.また被験者3は,「食べ頃を見極めるのが難しいアボカドは,いつもちょうどよい柔らかさで届くので,自分で選ぶよりも良い」と発言し,自分以上に目利きのスキルが高いことを評価している.

なお,タイプⅤ(購入商品:広/家族:狭)では,「鮮度良く保存したいので,食材はすべて50度洗いをしている」と発言され,唯一の食材購入場所であるネットスーパーは“食生活を送るために欠かせない存在”として捉えられている.

(2) 利用実態からみたタイプ別の特徴

2は,青果物購入の際に,被験者がネットスーパーを他のチャネルとどのように使い分けているのか(「利用回数」,「購入金額」,「購入品目数」),そして,購入後の調理実態について(「調理時間」),日記調査の結果を分析したものである.

表2. 青果物購入におけるネットスーパー利用実態
タイプ
被験者 2 1 5 6 8 3 4 7
利用回数 全店舗(合計:回) 35 13 5 11 24 22 10 5
うちネットスーパー 3 4 4 3 4 3 1 5
うちネットスーパー以外(実店舗) 29 5 1 8 16 19 8 0
うちネットスーパー以外(非店舗) 3 4 0 0 4 0 1 0
全利用回数のうち,
ネットスーパーが占める割合
8.6% 30.8% 80.0% 27.3% 16.7% 13.6% 10.0% 100.0%
購入金額(一回あたり) 全店舗(平均:円) ¥3,107 ¥898 ¥714 ¥1,039 ¥1,492 ¥725 ¥1,230 ¥1,981
うちネットスーパー(A) ¥3,305 ¥790 ¥814 ¥1,564 ¥1,658 ¥899 ¥1,853 ¥1,981
うちネットスーパー以外(実店舗)(B) ¥2,642 ¥506 ¥314 ¥842 ¥1,160 ¥697 ¥930
うちネットスーパー以外(非店舗) ¥7,401 ¥1,497 ¥2,655 ¥3,000
ネットスーパーの購入金額と
実店舗との差(A–B)
¥663 ¥284 ¥500 ¥722 ¥498 ¥201 ¥923
購入品目数 全店舗(合計:品) 73 38 9 32 26 44 30 15
うちネットスーパー 30 14 9 6 10 12 10 15
うちネットスーパー以外(実店舗) 30 10 2 30 18 41 26
うちネットスーパー以外(非店舗) 23 18 2 1
他チャネルとネットスーパーとで
同様の品目を購入する数
23 6 2 4 4 9 7
調理時間(一日あたり) 平均(1日あたり:分) 206.8 106.9 93.0 91.4 90.0 161.4 49.8 110.0
ネットスーパーを利用した日(C) 295.0 115.0 100.0 121.7 52.5 196.7 40.0 110.0
ネットスーパーを利用しない日(D) 197.0 103.3 65.0 80.0 99.4 154.3 51.0
ネットスーパー利用日と
非利用日との差(C–D)
98.0 11.7 35.0 41.7 –46.9 42.3 –11.0

資料:日記調査結果より筆者作成.

1)表中のタイプ(アルファベット),被験者番号(数字)は本文中と対応.

タイプⅠの被験者2は,ホームパーティや両親への買い置きにネットスーパーを利用することが多く,「料理を作る時間を確保したい」という気持ちも強い.このため,購入品目数や購入金額が高く,調理時間も増加している.しかし,「生鮮はできるだけ買い置きはしたくない」という発言が日記調査でも確認され,全利用回数のうちネットスーパーが占める割合は8.6%と,全被験者の中で最も低い割合とな‍る.

一方,ネットスーパーを定期的に利用しているのがタイプⅡである.30日間のうち,青果物購入に利用した回数は3~4回と,週に1回程度の利用となり,青果物の購入チャネルとしてネットスーパーが占める割合は約3割以上となる.また,タイプⅡ全員がネットスーパーを利用しない日に比べ,ネットスーパー利用日の調理時間が,10~40分程度増加している.これは前述したPAC分析調査での,「ネットスーパーを利用することで買い物時間を減らし,メニューを考える時間にあてられる(被験者1)」との発言から,調理時間を充実する行動がネットスーパー利用の際にとられていることが指摘できる.

それに対し,調理時間の増加が確認できなかったのがタイプⅢである.被験者8は家事の大半を夫にまかせており,ネットスーパーは仕事がある平日に利用することが多い.時間がある休日に調理をすることが多いため,ネットスーパーを利用しない日の調理時間が増加している.また,調理を必要としない果物を購入することも多いことから,調理時間の増加は見受けられなかった.

そしてタイプⅣでは,趣味の時間を確保するのに欠かせない存在としてネットスーパーを捉える.同表の「購入品目数」に注目すると,他チャネルにおいてもネットスーパーと同様の品目を購入している数が7~9品と,タイプⅠについで多くなる.また,被験者3では,「ネットスーパー利用日は,買い物に行かなくて済み,その分自宅でゆっくりDVDを見て過ごすことができ体力的に楽だ」とコメントされており,肉じゃが等の時間がかかる煮込み料理を作る行動がとられている.つまり,ネットスーパーを利用することで,趣味の時間を確保しつつも食事作りの時間も充実させている様子がうかがえる.

なお,タイプⅤについては,調査期間中にネットスーパー以外の他チャネルの利用はされなかった.週に1回程度ネットスーパーが利用されており,1度に購入する金額も約2,000円と,他の被験者に比べて高額となっている.また,調理については,「ネットスーパーで野菜が届いた直後は,葉物,その後は果菜類,最後は根菜類を食べて,野菜室が空になりそうなところで次の注文をする」という記載もあり,日々の食事作りはネットスーパーで届く食材に合わせ,メニューを決めている様子が確認できた.

4. 考察

これまでネットスーパーに関する議論としては,上田(2010)に代表されるように,購買に焦点をあてたものが中心で,その背景にある調理や消費といった視点での議論はなされてこなかった.しかし,本研究で明らかになったように,ネットスーパーの利用には,調理時間の充実といった購入後の行動に対する評価がなされ,その時間を確保する等により,利用者固有の価値が実現されている.つまり,購入の根底には,最終的な利用者の目的や目標を実現するための多様な価値がネットスーパーの利用行動とその評価に結びついている.

また,ネットスーパーを利用し始めた当時は「生協」との比較を通じ,ネットスーパーの優位性が評価されてきた7.しかし,生協との比較の中での評価に留まっていたネットスーパーは,自分の都合や目的の違いといった個人の状況が加わりながら継続的に利用されることで,ネットスーパー固有の価値が創造されていく.例えば,「家族に喜んでもらえる」「計画的な食生活を送れる」「自分の時間を確保できる」といった,個人の最終的な目的や目標が実現される存在として利用者の生活の中に存在するようになる.とくに,そのような価値については,「作りたいメニューに合わせて食材を提供してくれる」「メニューを考える時間を確保できる」等,購入だけに留まらず,調理という生活の中での使用プロセスが伴うことで,ネットスーパーに対する価値・意味づけが創造されていくと言える8.また,こうした利用者の価値については,過去利用していたが現在利用していない利用中止者にとって,未だ気付いていない新たな価値として受け入れられる可能性があ‍る.

こうした利用がされるネットスーパーにおいては,購入後の行動(調理)を意識したサービス提供により,今後,顧客とのさらなる価値共創を進展させる工夫が重要となる.購入を促すためのレシピ提案ではなく,調理を通じて実現される最終的な目的別に合わせたサービス提案等,タイプ別に応じた対応により,今後のチャネルとしての可能性を考えることも求められてくる.

1  ネットスーパーについては明確な定義づけはされていないが,上田(2010)はその特徴として「実店舗を運営する食品スーパー,総合スーパーが,インターネット上で商品を受注し,受注した商品を宅配する業態」とまとめている.本研究ではこのような特徴に加え,大手スーパーが運営しているものを調査対象としている.

2  本研究では,継続利用を対象としており,過去利用で現在は利用していないケース(中止者)は含まれていない.

3  食材加工だけではなく,保管等の購入後の食材の取り扱いや食事計画も調理行動として定義づけた.

4  PAC分析の特徴及び調査手順,分析ソフト等の詳細は,内藤(2004)滝口・清野(2014)を参照のこと.なお,PAC分析の刺激文は,『あなたは今,ネットスーパーで青果物を購入しようとしています.どのような「気持ち」や「思い」が頭に浮かびましたか.利用しようとしているあなたの状況や,買おうとしている商品,他の購入場所との比較や検討,利用した後のあなたの行動など,日常シーンを思い浮かべながら,それぞれ思い浮かんだイメージやキーワードを順次お答えください』とし,利用当初と現在の分析を行った.

5  被験者は,①滝口・清野(2015)を参考に,ネットスーパーで青果物を購入する割合が高い年代であること,そして,②他チャネルの代表とされるスーパー(実店舗)の主要な顧客年代を考慮し,40~60歳代とした.したがって,それ以外の年代を対象とした調査については今後の課題である.

6  紙面の都合上,分析過程の詳細な記載は省略し,総合的に解釈した結果明らかとなった価値を掲載している.

7  延岡(2011)は,「意味的価値」という言葉を用い,商品が導入される前の存在しない段階では,顧客は意味づけができないことから,価値そのものが存在しないと説明している.

8  なお,購入チャネルとしてネットスーパーの価値を位置づけている属性(タイプⅢ)は,利用当初から現在に至るまでのネットスーパーに対する価値・意味づけの内容に大きな変化は見られない.このことは,被験者8が調理行動の大半を夫に任せており,購入という一時点でのみネットスーパーとの接点をもつためと考えられる.使用という購入後のプロセスに伴う時間が他の被験者に比べて少ないことから,価値形成が行われにくく,継続的な利用がなされているにも関わらず価値の変化が見受けられなかったと推察される.

引用文献
 
© 2016 地域農林経済学会
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