本研究は,新任教員と拠点校指導教員との1年間にわたる支援関係の変容過程を質的に分析したものである。精神疾患による教員の休職が増加する中,初任者研修制度における支援の実態とその効果を明らかにすることを目的とした。半構造化面接の逐語録を分析した結果,新任教員は「受容-葛藤-統合」という段階的な変容をたどりながら成長していた。一方,指導教員は,新任教員の成長に応じて支援のスタイルを柔軟に調整し,相互に信頼関係を深めていった。こうした支援関係は「支援する/される」という一方向的な関係ではなく,対話と相互作用を通して構築される「生成的プロセス」と言えた。今後は,多様な事例を対象とした重層的な分析を進め,初任者研修制度の制度設計や実践的支援の在り方に資する知見の蓄積が期待される。