2024 年 2023 巻 27 号 p. 28-36
現在、衆議院議員の議員定数465名のうち、289名が小選挙区制で選出されている。これら289議席は、茨城県に7議席、北海道に12議席、東京に30議席といった具合に、人口に応じて各都道府県に配分されている。既存研究では、一票の重みの格差の是正を主な目的として、各都道府県での選挙区割の改善案が示されてきた。本研究では、行政圏と生活圏の不調和と少子高齢化に伴うシルバー民主主義の問題に焦点を当て、これらの解決に向けた選挙区割の数理最適化モデルを開発し、その有用性を実データに基づく数値実験によって示す。