抄録
本研究は、美術館での作品鑑賞が困難な地域に向けに開発された、鑑賞学習支援ツールの成果と課題を検証し、その活用の普及に資すること及び幼児教育への活用の可能性を探ることを目的として行ったものである。調査の方法としては、実践校の児童・生徒アンケート調査及び学習カードの記述を分析し、学習に対する意識の高まりと学習効果を検証した。また、幼児教育への可能性の検証では、保育現場にツールを持ち込み、遊びながらつなげる活動と作品鑑賞を楽しめるかを調査した。結果として、つなげる活動を取り入れた鑑賞学習が、主体的・対話的な活動を保障することが判明し、鑑賞学習支援ツールの一定の有用性が示唆された。