芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
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一般論文
表面の成長による樹木の形状生成
溝口 敦士宮田 一乘
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2014 年 13 巻 1 号 p. 45-58

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抄録
本研究では,表面の成長による樹木の形状生成を行った.樹木は様々な表面形状の特徴を持っており,樹木形状を生成する際にはこの表面形状は重要な要素である.樹木の表面形状を生成するために,樹木の成長をシミュレートする.樹木は細胞分裂によって成長する.この細胞分裂による成長をポリゴンの変形を用いて近似する.ポリゴンメッシュの各頂点は枝を伸ばす頂端分裂組織,枝を太らせる形成層,樹皮下にあり樹木の構造を支えている木部の役割を演じる.ポリゴンの各頂点はこの役割によって移動し樹木形状を作る.この時,頂点の移動によって頂点がない領域が発生する.本手法では頂点がない領域では成長をシミュレートできない.そこで,樹木全体に頂点を配置するために,ポリゴンメッシュの最適化を行う.頂端分裂組織の成長はパラメトリックL-systemで定義し,形成層の成長と木部の腐敗は複数のパラメータで定義する.また,本研究では特にコブ,樹洞,障害物と衝突した際の反応をシミュレートした.これにより様々な表面形状を持った樹木形状が生成可能となった.
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© 2014 芸術科学会
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