2015 年 14 巻 6 号 p. 248-256
プロジェクションマッピング(PJM)とはプロジェクタで投影された映像を実際の物体の形に沿って貼り付ける手法のことを指す. 本研究は懐中電灯型スポットライトを用いてインタラクティブなPJMを文化財に適用することにより,鑑賞者の能動的な鑑賞を誘発させる文化財の新しい展示方法を提案する.具体的には北海道の国宝「中空土偶」に対して当時の様子の再現などを盛り込んだ映像を投影し展示を行った.懐中電灯型スポットライトを持った鑑賞者は興味のある部位の映像を変化させることが出来る.これによって鑑賞方法がどのように変化したかを知るために,鑑賞者の反応を分析し本展示方法の評価を行った.本論文ではそこで得られた知見を報告する.