2015 年 14 巻 6 号 p. 273-283
人らしく見える人物動作アニメーション表現を実現するために,眼球や頭部,胸部を注視対象に向けて回転させる視線動作を既存の動作アニメーションに付与する手法が利用されている.しかしながら,ユーザの意図した視線動作を実現するように制御モデルのパラメータを設定するにはパラメータの理解に加えて試行錯誤による調整が必要となる.そこで本稿では,ユーザの主観的な評価に基づいて視線動作の挙動を決定するパラメータを最適化する手法を提案する.視線制御モデルを基に,視線動作を複数のパラメータで表現し,対話型GAを用いて鑑賞者が自然であると感じる視線動作アニメーションを実現するパラメータを獲得する.実験では提案手法に基づいて静的な注視対象に対する視線動作アニメーションを制作し,その有効性について検証を行った.