芸術科学会論文誌
Online ISSN : 1347-2267
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NICOGRAPH2016ジャーナルトラック論文
閲覧環境を考慮した3D映像が持つ繊細な奥行きを感じさせる方法
鍛治 俊平長田 茂美
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2016 年 15 巻 4 号 p. 185-193

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抄録

本報告は,繊細な奥行きを感知させるために奥行感度に着目して,画面に出力する3次元(3D)映像の作成手法を提案する.3D映像は,実空間の奥行きを映像から取得できる利点を有している.この利点は,奥行きを得られるだけでなく臨場感を得られることから,医療支援やエンターテイメントなど様々な場面で利用されている.しかし,画面に表示された3D映像を閲覧するとき,2つの光軸を交差させた3Dカメラで撮影された映像によって奥行きは歪み圧縮されてしまう.この奥行きの歪みによって,人は箱庭効果や書き割り効果のような視覚的違和感を感じる.視覚的違和感を利用して,繊細な奥行きを感知させることができるが,違和感を抑制する必要がある.閲覧環境を考慮し,奥行感を評価する奥行感度を用いて違和感の抑制のための指標を作成し,実験を通して有効性を確かめた.

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© 2016 芸術科学会
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