抄録
3次元コンピュータグラフィックス(以下3DCG)を用いて表現されるイメージは,直感的に理解しやすいという特徴を持つ.近年,デジタル技術の進歩に伴い,教育分野においても3DCG を用いた教育コンテンツが急速に普及しつつあるが,それら教育コンテンツの開発はまだ緒についたばかりであり,更なる研究開発が期待されている.本研究では,この3DCG の特徴を教育コンテンツに生かし応用する.今回はコンテンツとユーザとの間に双方向性を持たせるために,人がものを詳しく観察しようとするときにおこなう「覗き込み」の動作を利用したビューワシステムの構築をおこなった.これにより興味の喚起を促し,ユーザの理解度を高めるためのシステムを実現できた.さらに,本システムをユーザに使用してもらい,興味の喚起や理解度に関するアンケート調査を実施した.この結果,教育コンテンツとしての本システムの有用性を確認できた.
© 2003 古川耕平, 米村貴裕, 廣瀬健一, 長江貞彦