抄録
経路探索は,ある地点から目的地点への経路を算出するものである.主な手法として,ダイクストラ法やA*アルゴリズムなどがある.この2つの手法では,現在の最短経路上から外れた位置に新たな目標地点を設定した際,経路探索を再び行う必要がある.経路探索手法Moving Target D* Lite は,そのような状態で,マップに変化が生じた際に,最短経路を高速に発見することができる.しかし,この手法は,現在の最短経路上から外れた位置に新たなスタート地点を設定すると成り立たなくなってしまう.本研究は,新規スタート地点や新規ゴール地点を現在の最短経路外に設定した際に先行手法よりも速く新規最短経路を算出可能な探索手法を提案する.提案手法では,ダイクストラ法による探索情報を事前探索データとして複数記録しておき,再探索時にその中から最適なデータを採用し,計算量を削減する.本手法の検証を行った結果,山道のようにほぼ一本道やビル街のように規則的に障害物があるマップに対して現在の最短経路上から外れた位置に新規スタート地点を設定する場合,有用であることが判明した.