本論文では,人間とマンガアニメのキャラクターとの対話を実現するため,固有の性格を持ち,2次元のマンガアニメスタイルで演出される対話エージェントシステムを提案する.まず,マンガアニメスタイルの定義とその表現の特徴を分析し,対話エージェントをマンガアニメらしく振舞わせるためのシステムを設計した.提案システムでは以下の3つの主要な処理を含む:①ユーザー発話に対し,LLMを用いて発話意図を理解し,リアルタイムにキャラクタープロンプトを切り替えることでキャラクターの性格を詳細にエージェントの発話内容に反映する.②発話内容に応じて漫符,背景,エフェクト,構図などのマンガアニメ演出を決定する.③発話内容と感情に基づくパラメータを生成し,エージェントを特徴づけるオブジェクトの動きと連動させる.提案システムを用いて,人間との会話内容に応じてマンガアニメらしい特徴的な感情表現を行うAIキャラクター『こはね』を制作した.さらに,3Dモデルによる対話エージェントとの比較実験を通じて,体験者が提案システムで作成された『こはね』に対して,より強くマンガアニメキャラクターらしい印象を感じることを確認した.