2016 年 28 巻 p. 84-90
【目的】側臥位における下側肩甲骨の位置について,端座位と比較し,検証することである。
【対象】身体に整形外科的疾患がない健常男性9名(年齢:23.7±1.4歳,身長:172.0±2.2㎝,体重:66.7±7.6㎏)とした。
【方法】吉田らの方法を参考に,肩甲骨の位置を測定した。測定肢位は,①端座位上肢下垂位,②端座位左肩関節45°屈曲位,③端座位左肩関節90°屈曲位,④左側臥位左肩関節45°屈曲位,⑤左側臥位左肩関節90°屈曲位の5条件とした。統計処理は,5条件における4距離の平均値についてTukey-Kramerの多重比較検定を用いて比較した(有意水準は5%未満)。
【結果】側臥位では端座位と比較して(②と④,③と⑤),肩甲骨が挙上,外転,上方回旋することが示された。
【結語】側臥位における下側肩甲骨位置の特性から,ポジショニングの方法に応用が可能と考える。