2017 年 29 巻 p. 64-68
【目的】本研究の目的は小学校高学年児童の50m走のタイムとアーチ高率及び足趾把持力の関連について,継続調査により検討することである。【対象と方法】小学校4年時から6年時まで3年間継続して調査可能であった児童86名(男子43名,女子43名)を対象とした。小学校にて実際に行われた新体力テストより50m走のタイムを採取した。右足にてアーチ高率および体重比足趾把持力の測定を行った。各項目を相関分析により比較した。【結果】4年時と5年時の50m走のタイムと体重比足趾把持力に有意な負の相関が認められた(4年時:r=-0.26 p<0.05,5年時:r=-0.33 p<0.05)。【結語】小学校4年生および5年生の時期には50m走のタイムと足趾把持力の関連が認められた。6年生についても関連している可能性は考えられるものの,単純な相関関係は認められなかった。この時期は様々な要因が複雑に影響してくると考えられたため,今後は縦断研究によって検討していくことが必要になると考えた。