2019 年 31 巻 p. 53-58
【目的】 医療系大学生は医療や健康に関する関心が高く,良好な生活習慣の維持に努めていると予測され,行動変容ステージは高位であると予測される。今回,医療系大学生を対象に,身体活動量,運動耐容能,生活習慣および行動変容の指標を用い評価した。
【対象】 A大学保健医療学部の理学療法学科,作業療法学科,看護学科に在籍する学生30名(男性15名,女性15名)
【方法】 身体特性として,身長,体重,推定体脂肪率,推定骨量,推定骨密度,推定筋肉量を測定した。 ランプ運動負荷試験にて,無酸素性作業閾値での酸素摂取量と二酸化炭素排出量を測定し, 身体活動量は 1 週間の平均歩数を用いた。また,質問紙を用いて健康度と生活習慣,行動変容,栄養摂取状況を調査した。
【結果】
男女ともに健康日本21(第 2 次)で推奨する目標歩数,日本人の食事摂取基準(2015版)のエネルギー摂取量を下回った。また,DIHAL. 2の健康度・生活習慣パターン判定より,半数以上が「要注意型」「生活習慣要注意型」「健康度要注意型」に該当し,行動変容評価では,「前熟考期」から「準備期」に該当した。
【結語】 医療系大学生のヘルスプロモーションにおいては,個人が個々の生活習慣を自覚した上で性差を考慮し,身体活動量のみならず食事に関する状況を踏まえ,行動変容ステージを把握しアプローチする必要があると考える。