2019 年 31 巻 p. 8-12
下肢骨格筋支配の脊髄興奮準位が増強する聴覚刺激強度と周波数を明らかにするために,Hoffman 波(以下,H波)を測定した。方法:健常成人男性24名(21歳)を周波数250Hzの音源を使用するA群,周波数1000Hzの音源を使用するB群,周波数4000Hzの音源を使用するC群に分け,強度を10dBから90dBまでの10dB間隔でランダムに刺激した。H波の測定は,右膝窩部から脛骨神経を電気刺激し,同側のヒラメ筋筋腹中央部から導出した。分割プロット分散分析の結果,刺激の周波数(Hz)に主効果を認めず,聴覚刺激強度(dB)に主効果が認められた(p <0.05)。交互作用は認められなかった。そのことから,脊髄興奮準位に対して刺激周波数は影響を与えず,聴覚刺激強度が影響を与えることが明らかになった。