本研究では,動作の連合における結合動作を学習課題として取り上げ,全体法と部分法の運動学習効果の差異を明らかにすることとした。
【対象】対象は健常青年 18 名とし,無作為に全体法群と部分法群の 2 群に割り付けた。
【方法】学習課題としてレバー操作動作と把握動作を組み合わせた結合動作課題を採用し,被験者にはできるだけ早く正確にカーソルを操作するように求めた。練習前テストを実施した後,二日間の練習期間を設け,最後に保持テストを行った。また,データ解析としては,所要時間と標的誤差,およびそれぞれの変動係数を算出した。
【結果】全体法群は練習前テストから練習期間を通して有意に所要時間を短縮させ,そのパフォーマンスを保持テストまで維持した。また,保持テストにおいては,部分法群よりも所要時間の変動係数が有意に小さかった。
【結語】結合動作の運動学習において,速度を優先しやすい設定の場合には全体法が有益であることが示唆された。