【目的】研究の目的は,Life-space Assessment(以下,LSA)を用いた生活空間分類より,日本語版-改訂 Gait Efficacy Scale(以下,mGES)の合計点及び各項目の違いについて明らかにすることである。また,生活空間の広狭を分類する基準値の算出を試みることである。
【対象】対象は,外来に通院している生活期脳卒中片麻痺者で,屋外歩行が自立している62名とした。
【方法】LSA最大自立範囲から,最大自立範囲が居近隣・近隣の者を狭範囲活動群(狭群 24名),町内・町外の者を広範囲活動群(広群 38名)と定義した。広狭群におけるmGES合計点及び各項目について群間比較を行った。また,Receiver Operating Characteristic(以下,ROC曲線)を用い,広狭群を分類するmGESのカットオフ値を算出した。
【結果】狭群と広群のmGES合計点に有意差を認めた。また,mGESの10全項目の群間に有意差を認めた。ROC解析の結果,カットオフ値は68.0点であった。
【結語】歩行自己効力感を高めるアプローチを行う事で,生活空間に広がりをもたらす可能性があると考えると,今回算出したカットオフ値は,臨床における屋外移動の目標設定に活用できるのではないかと考える。
抄録全体を表示