2022 年 34 巻 p. 17-24
【目的】筋疲労は,理学療法を展開していく上で,重要な要素として捉えられてきた。動作パフォーマンスとの関連に着目すると,筋力発揮における静特性,動特性双方に着目する必要がある。しかし,先行研究では,動特性にほとんど着目されていない。そこで,本実験の目的は,筋疲労による筋動特性の変化および動作パフォーマンスとの関係性を調査することとした。
【対象】被験者は健常な若年男性 9 名(年齢21.9±1.5歳,身長170.9±7.8cm,体重68.6±10.7kg )であった。対象筋は,股関節外転筋とした。
【方法】疲労課題として,最大努力の股関節外転運動100回を実施し,その前後でパフォーマンステストを実施した。
【結果】筋疲労によって,静特性に加え,動特性の低下が示されたが,パフォーマンスに疲労の影響を認めなかった。
【結語】結果に関して,さらなる検討を進めていくには,より筋疲労の影響を受けると予想できる高齢者や中枢神経疾患患者などの被験者選定が必要であることが示された。