2023 年 35 巻 p. 71-77
2021年上期の職場アンケート調査で職場の「評価」に対する満足度が低い傾向だった。個人評価を数値化しフィードバックすることで職員の職場満足度向上に結び付けることができるのか検証したので報告する。対象は当院に2016年から2021年まで在籍していた理学療法士である。それぞれを2016年群・2021年上期群・2021年下期群の3群とした。
個人評価は,2021年下期群に実施され,自身で採点した自己評価とし,所属上司が他者評価した採点を上司評価の2群とした。
職場アンケート調査3群間と個人評価2群間を統計解析した。職場アンケート調査の結果は,2021年上期と下期は2016年と比較して職場アンケートの結果は有意に向上した。個人評価の結果は,自己評価が上司評価より低く有意な差があった。職場アンケート調査の結果が向上したのは,2021年度下期に個人評価である自己評価と上司評価を数値で見える化し,フィードバックを実施した事が一つの要因と考える。今回の調査では,個人評価を数値化することで職場満足度を向上させる可能性が示唆された。